「横須賀ブラックラーメン」@横須賀

横須賀ブラックラーメンは、神奈川県横須賀市周辺で発展したご当地ラーメンの一種で、漆黒ともいえる濃い色合いの醤油スープを最大の特徴とする。見た目のインパクトから富山ブラックと比較されることが多いが、成立背景や味の設計思想は大きく異なり、横須賀独自の食文化を反映した一杯として位置付けられている。

スープは濃口醤油やたまり醤油をベースに、豚骨・鶏ガラ・香味野菜、場合によっては魚介出汁を重ねた多層構造が主流である。黒さはカエシ(醤油ダレ)の濃さに由来するが、塩分濃度は見た目ほど過激ではなく、旨味とコクを重視したバランス型が多い。さらに背脂を加えることで甘味と厚みを補強し、「しょっぱい」よりも「濃厚でパンチがある」方向に仕上げられる傾向が強い。

麺は中太から太麺が中心で、加水率や縮れの有無は店舗ごとに異なるが、いずれも強いスープに負けない存在感を持つ。具材は厚切りチャーシュー、ほうれん草、海苔、刻み玉ねぎなどが定番で、ビジュアルや構成には家系ラーメンの影響が色濃く見られる。実際、横須賀は家系文化圏に含まれ、豚骨醤油と黒醤油ダレを融合させた“家系ブラック”とも呼べる派生型も存在する。

このラーメンの背景には港町・軍港都市としての歴史がある。横須賀には横須賀海軍施設アメリカ海軍横須賀基地が所在し、戦後は米兵向け飲食店が集積した。濃い味付け、脂分の多さ、ボリューム感といった要素が好まれ、その嗜好がラーメンにも反映されたと考えられている。つまり横須賀ブラックは、労働者食として塩分を極端に高めた富山ブラックとは異なり、「異文化需要に応じて味を強化した港町ラーメン」という性格を持つ。

代表的提供店としては、濃厚黒醤油と背脂のバランス型で知られるらーめん濱琉、二郎系ボリュームと黒醤油を融合させたらーめん神豚 横須賀中央店、家系ベースにブラックダレを合わせた麺屋 庄太 津久井浜店などが挙げられる。ただし「元祖」を明確に定義できる体系的ラーメンではなく、複数店舗が黒醤油路線を展開する中で地域呼称として定着した集合型ご当地ラーメンである点が重要である。

総じて横須賀ブラックラーメンは、黒い見た目のインパクト、豚骨や鶏ガラを重ねた濃厚出汁、太麺と重量級トッピング、そして米軍文化の影響を受けた味覚形成という要素によって成立した。家系ラーメン文化と港町の異国的食需要が交差して生まれた点に、このラーメンの最大の個性と地域性がある。

NO.970「ラーメン神豚 横須賀中央店」@神奈川県横須賀市 #横須賀中央駅
2024年8月24日 ★★★★ 横須賀中央駅から少し歩いた場所にある二郎インスパイアのお店に行ってきました。 夕方から...

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