
全国各地には「博多ラーメン」や「札幌ラーメン」、「喜多方ラーメン」のように、地域名が付いた定番のご当地ラーメンが存在します。
では、北陸・石川県にはどんな「ご当地ラーメン」があるのでしょうか?
結論から言うと、石川県には全国的に統一されたスタイルの「厳密な意味でのご当地ラーメン」というものは、実は存在しません。しかし、その代わりに石川県民の胃袋を掴んで離さない、唯一無二の“ソウルフード”が存在します。
それが、北陸エリアを中心に絶大な人気を誇る「8番らーめん」です。
厳密には「ご当地ラーメン」ではない?石川県のラーメン事情
一般的に「ご当地ラーメン」というと、その地域で生まれた独自のスープや麺の形式が広まり、地域の複数の店舗で提供されているものを指します。
その観点から見ると、石川県には「金沢ブラック」や近年ブームとなっている「金沢濃厚味噌」などのジャンルはあるものの、県全体を代表する特定のスタイルとして確立された伝統的なご当地ラーメンは定義されていません。
しかし、石川県で「地元のラーメンといえば?」と質問すれば、県民の9割以上が迷わず名前を挙げる店があります。それが特定の単一チェーンでありながら、実質的にご当地ラーメン以上の存在感を放っている「8番らーめん」なのです。
北陸のソウルフード「8番らーめん」とは?
8番らーめんは、1967年(昭和42年)に石川県加賀市の国道8号線沿いで誕生しました。店名にある「8」は、その創業の地である国道8号線にちなんで名付けられたものです。
地元では親しみを込めて「ハチバン」と呼ばれており、石川県を中心に富山・福井の北陸3県で深く愛されています。
看板メニュー「野菜らーめん」のこだわり
8番らーめんの代名詞といえば、何と言っても「野菜らーめん」です。
- シャキシャキの爆盛り野菜 キャベツ、もやし、人参、豚肉などを強火で一気に炒め、シャキっとした食感を残したままラーメンの上にたっぷりと盛り付けられます。ひとくち食べるだけで、野菜の甘みと香ばしさが口いっぱいに広がります。
- 選べるスープと太ちぢれ麺 スープは「塩」「味噌」「醤油」「バター後乗せ」などから選べますが、特に野菜の旨味が引き立つ「塩」やコク深い「味噌」が定番。スープによく絡む太めのちぢれ麺(太巻き麺)との相性も抜群です。
- アイコンとしての「8カマ」 ラーメンの中央には、赤地に白い数字で「8」と描かれた特製のかまぼこ(通称:8カマ)がちょこんと乗っており、見た目にも楽しいアクセントになっています。
「なんでやろ、8番。」という不思議な中毒性
北陸地方では「なんでやろ、8番。」というテレビCMフレーズが非常に有名です。
とびきり奇抜で豪華な高級ラーメンというわけではないのに、数日経つと「なぜか無性にハチバンの野菜ラーメンが食べたくなる」。そんな、生活の一部として溶け込んだ優しく味わい深い中毒性が、長年愛され続ける最大の理由です。
広々とした店内にはテーブル席や座敷も多く、子供からお年寄りまで家族三世代で楽しめる居心地の良さも魅力となっています。
まとめ:石川を訪れたら必ず食べたい一杯
厳密なご当地ラーメンの定義からは少し外れるかもしれませんが、石川県の食文化を語る上で「8番らーめん」を外すことはできません。