2026年10月30日
★★★☆

神奈川県横浜市、横浜市営地下鉄グリーンラインの高田駅から歩いてすぐの場所に、ラーメン好きの視線を惹きつけてやまない一軒がある。その名も『豚温泉』。

一度耳にしたら忘れられない強烈かつユニークな屋号を掲げる、二郎インスパイア系の専門店だ。一見すると銭湯か温泉施設かと見紛うような独特のネーミングだが、提供されるラーメンは本格的な二郎インスパイアであるという噂を聞きつけ、期待と好奇心を胸に暖簾をくぐった。

入店して券売機で注文したのは、基本となる「ラーメン」(1,000円)。

食券を購入する際、麺量を150gと200gのどちらにするか選択できるシステムになっている。

二郎系に聞き慣れた人であれば、200gという麺量は控えめ~標準的な部類に入ることが分かるだろう。ガッツリと麺の旨味を味わいたかったため、迷うことなく200gをチョイスしてカウンター席に着席した。昨今の物価高騰を考えると、千円でしっかりとしたインスパイア系が食べられるのはありがたいところだ。

店内観察をしながら待つこと数分、無料トッピングの確認である着丼前のコールがかかった。

今回は「ニンニク・野菜・アブラ」の全増しスタイルで申請。ほどなくして運ばれてきた丼は、二郎系ならではの豚骨醤油の香りと背脂の存在感が漂う一杯だ。

盛り付けられた標高を確かめてみると、コールしたものの「野菜の量はそれほど多くないな」というのが第一印象だった。

後から分かったことだが、この店ではデフォルトの野菜量がかなり控えめに設定されている様子だ。人やロットによって盛り付けのグラデーションはあるようだが、普段から二郎系で野菜をしっかり摂りたいタイプの人であれば、この店では迷わず野菜増しを選択しておくのが正解だろう。

さっそくスープの下から麺を引きずり出し、ズバッと啜ってみる。

ここで一気にテンションが上がった。縮れの強い極太の「ゴワゴワ麺」は噛み応えが抜群で、小麦の風味が力強く口いっぱいに広がる。濃厚なスープをしっかりと持ち上げ、噛むたびに麺の持つ力強さをダイレクトに堪能できる非常にクオリティの高い麺だ。

一方で、トッピングのバランスには少し物足りなさも残った。
ニンニクの盛りは個人的な基準からするとやや少なめに感じられ、パンチの補強としてはもう少し量が欲しかったところだ。
また、全体的に野菜も麺量200gも過度なボリューム感はないため、夢中でゴワゴワ麺を食しているうちにあっという間に完食してしまった。
二郎系特有の「食べても食べても減らない」という圧倒的な満腹感というよりは、程よい満足感でサクッと食べ終えられるボリューム感だ。
ラーメン自体の味、特に麺の出来栄えには大満足だったのだが、初訪問の「一見さん」として少々気になったのは店内の空気感である。
カウンター越しに店主と常連客と思われる方々との会話が絶え間なく弾んでおり、アットホームな雰囲気が出来上がっていた。
常連さんにとっては居心地の良い空間なのだろうが、初めて訪れた身としては少しアウェイ感や居心地の悪さを覚えてしまったのが正直なところだ。
総合してみると、インパクトのある店名に負けない美味しいゴワゴワ麺が楽しめる優良店であることは間違いない。
一見さんとしては少し居づらさを感じる場面もあるかもしれないが、純粋に力強い麺のうまさを味わいたい人や、量を求めすぎず程よい二郎インスパイアを楽しみたい人には、訪れる価値のある一冊ならぬ一杯と言えるだろう。